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オレオレ詐欺にあう。

プルルルルル・・・

「もしもし?」

「あっ俺。俺さぁこんど通勤車替えたいんだわ。で今乗っとる通勤車買ってくれん?」

「急な話やな」

「今そっちで乗っとるオレンジのエッセ塗装が駄目なんやろ?」

「メーカーにも見せたんやけど原因が分からんと、
屋根やボンネットが干上がった川底みたいにバリバリになっとるわ・・・」

「渡りに船やんか!車検たっぷり!走行距離少な目!調子最高!
それになんといっても中も外もピッカピカ!大好きなマニュアルやで!」


「かーさんに聞いてみるわ」
「オ~イご長男が車買ってくれといっとるけどどーする?ちょっと電話代わって」

「もしもし、ええよ~♪」

「早!オイオイ少しは話聞けよ。あいかわらず長男に甘いなぁ」

「やった!ラッキー♪早速もってくわ」

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やってきたのがこの【エッセ】

確かに内外装は綺麗だけど・・・

黒ボディに赤いピンストライプ、白いホイール、落ちた車高、センター出しのマフラー、なぜか赤いドアミラー・・・・

「若いにーちゃんが初心者マーク付けて乗るような車やね」

クラッチが滑りだしてるしとっくに旬を過ぎたタイヤはオールシーズン、
おまけに足回りからは近い将来高額の出費を予感させる音が・・・・・
走行距離は8万kmオーバーたっぷりのはずの車検は今年の11月・・・・・やれやれ。

「オレオレ詐欺にあったみたいやね♪」

なぜか嬉しそうなカミさん。


















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ランチャデルタ【Lancia Delta】夢は成層圏を越えて・・・第二幕

「松よぉ」

私を“松”と呼ぶYは四つ年上の先輩。

ストラトスのときにも登場した無類のラリー好きで、

彼自身も実際競技に参加していたことのある【グラベル オタク】なのである。

「松よぉお前ならどうする?」

「なにをですか?」

「なにをってクルマさ、クルマ!」

「クルマがどうしたんですか?」

「自分が長い間夢みていたクルマがある日突然目の前に現れたらどうする?」

「え~ストラトスですか!」

いやもうちょっと下かな・・・」

「じゃニッコラとムートンがドライブしたあのアウディクワトロS1♪

「もうちょっと・・・」

「A110、ランチャ037あとは・・・・・131ラリーそれと・・・」

「お前わざと外してるやろ!おい」

「ばれました♪デルタの出物があったんですか?」

「おお!それも鈴鹿や!」

「近いですね」

「というわけで明日8時に出発や!」

もとより先輩方で私の都合なんて気にするような器の小さい人はいない。


ボッボッボッ

8時きっかりに妙な音のADバンがやってきた。

さすがラリーやってただけに時間には正確。

ひとしきりカミさんと“トイレットペーパー”のことで盛り上がっていた。


「なんだこの二人・・・」


「行くぞ!」

出発。

鈴鹿なら国道でも30分高速なら15分ほどの距離。

なんせグラベル マニアそんな楽はさせてくれない・・・

シルバーで変に車高が下がった野太い排気音のADバンは山道へ・・・・・やっぱり

「バタネンがよ・・トイボネンがさあ・・・マキネンよりもだなぁ・・・」

私がトイレに行きたくてちびりそうになって飛ばしているよりもずっと早いスピードで、

砂利の浮いた未舗装路をADバンが横向きになって飛んでいく、飛んでいく・・・

外の景色がいろんな方向にすごいスピードで流れていく・・・けど不思議と怖くない。

横を向いていても余裕があるし操作がゆったりしていて確実。

【こいつ上手いな】

と思った次の瞬間右コナーで大きなギャップを拾ってクルマは杉林へ突撃!

「うわ~おたすけ~」

幸い杉林手前の土手に突っ込んでセーフ!

二人がかりで30分かけて土手から引っ張り出すとグリルもご自慢のシビエのフォグランプもぐちゃぐちゃ。

走りだしたらどうやらフロントのアライメントが狂ったらしく左へ左へと行きたがる。

「あかんわハンドルが取られて早く走れんわ」

「早く走らんでええわ!」

予定より1時間遅れて鈴鹿に到着。やれやれ

オーナーのKさんは遅れた平身低頭のバカ二人にニコニコ顔で缶コーヒーをご馳走してくださった。

ほろ苦く冷たいコーヒーを飲みながら生きている幸せを噛み締めていると・・・

Kさんもラリー好き(デルタのオーナーだから当然か)のようで、

二人はすでに物凄く盛り上がっていた。

「まあ見てください♪」

自宅横の車庫というか“納屋”に案内された。

納屋の奥に鎮座ましますデルタはお世辞にも綺麗とは言えない代物だった・・・

ボルドーに近い濃い赤の外装は艶が無くクリアも所々剥がれ“お約束の古いイタ車”の佇まい。

「見た目はしょぼいけどエンジンはバッチリやで!」

自信満々のKさんの期待を見事に裏切りセルは回れどエンジンが目覚める気配は無く・・・

「おかしいなぁ先月はかかったんやけど・・・」

先輩はというとKさんの言い訳も耳に入らない様子ただ潤んだ目でデルタを見ていた・・・

【まずい!こりゃ買うな!】



雨も降り出しアライメントも狂っちゃてるので大人しく下道で帰ることになった。ホッ♪

昼飯を食べてないことに気がつき途中のコンビニで“おにぎり”頬ばりながら・・・

「あのデルタ買うかと思ったわ」

と聞いてみた。

先輩がADバンのグリルに詰ったドロを指でかき出しながら・・・

「アホあんなエンジンもかからんデルタ買うかい!」

「今日は元々どうでもええんや、程度が悪いのは最初から分かっとったからな」


「・・・・・・・・・・・・・・」


「本命は京都よ!それに伊賀から京都に抜けるええ山道があるんよ♪
今日はバンやったからミスッたけど次は“ランタボ”出すでな♪」


「乞うご期待や♪」




「第三幕があるんかい・・・・・・・・・・・・・トホホ」

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BMW2000CS

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Triumph TR3【トライアンフ TR3】

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見覚えのある赤い袋から出てきた見覚えのないハンドル???

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仕事が暇になると今日も倉庫をゴソゴソ・・・

「ちらかさんといてよ!片付けたばっかなんやで!」

「ハイハイ♪あれこの袋?」

倉庫の隅っこに立てかけてあった赤い袋・・・

それは額を傷つけずに運べるようにカミさんが何年も前に作ってくれたキルティングの袋。

出てきたのは古いハンドル。

「お~いこれ知っとる?」

「何? アルファロメオのマークが着いとるからアルファロメオのハンドルでしょ」

「いやそうやなくて誰のかなって」

「そんなん私が知っとるわけないやん!ハイ終わり!しまって、しまって」


調べてみたらアルフェッタ2000のハンドルのようだ・・・

誰の?

私はアルフェッタを愛車したことがないし友達にも乗っていた記憶がない。

可能性があるとしたらありとあらゆるクルマに乗ってきたイオタですら足にしていた“Sちゃん”か・・・



「久しぶり♪元気か?」

「お~のぶちゃん久しぶり!元気!元気!」

「何しとった?」

「何ってクルマいじり以外ワシに何があるんや♪」

「あのさ、家の倉庫からアルフェッタのハンドルが出てきたんやけどSちゃんのか?」

「たしかに昔乗っとったけどのぶちゃんと“お付き合い”させてもらうずっと前や♪」

「お付き合いって言うのやめ!気持ち悪!知らん人が聞いたら変な関係やと思うやろ!」

「オイなんとか言え」

「葉巻のええの入ったで燻らせにおいで♪」

「話聞いとる?」

「アルフェッタやろ?手放すときはノーマルハンドル着けて出した覚えがあるよってワシのとちゃうで」

「そうか・・・誰のやろ」

「誰のでもええやん♪」

「ええことあらへん気持ち悪いやんか」



「誰のやろ・・・」

一生懸命思い出そうとしていたらカミさんが来て言った。

「そのハンドル明日もそこにあったら確実に捨てるでね!」

正体の分からないハンドルの運命は決まったようだ・・・








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Author:松岡信男

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