2CV【師匠の決断】

「血糖値が高くてなぁ・・・」
師匠がやって来てからというもの、
こっちもとんでもなく体調が悪い!
師匠なにか悪い“もの”連れてきたんじゃあるまいか???????
「下腹あたりが痛くて医者へ行ったんや、身体もしんどいし」
師匠は仲間内でも筋金入りの医者嫌い。
これはただ事ではない。
「お前も知ってるとおり医者嫌いやろ、10年以上行っとらん、どう説明していいやら・・・」
「結局診察台の上でパンツまで下ろされて・・・」
「え~それじゃ一番大事な個人情報だだ漏れじゃないですか」
「でも原因は分からずストレスということになったんや」
ドクターが言うには身近でストレス原因になっているものが何かあるはずだということで。
師匠は考えに考え“2CV”ではあるまいかと言う結論に達したらしい。
「え~目の中に入れても痛くないと言ってた2CVですか?」
「そうや、好きだからこそ大切だからこそストレスになるんじゃないやろか」
近いうち2CVのミッションをオーバーホールしないといけない話が出たあたりから、
何となく調子が悪いらしい・・・
ぼちぼち来ることは分かっていたのでお金と心の準備は出来ていたようだが。
「考えすぎですよ、何か別のものじゃないんですか?」
「それしか思い当たらん」
「2CVは手放す」
「可愛がってくれる人を探してくれんか」
師匠は2CVの詳細なデータを書き込んだ紙を残し、
目に入れても痛くない相棒と帰っていった・・・・・・・・・・・・。
確かに2CVほどではないにしろ古いクルマに乗っているといろいろとストレスがかかる。
望むべくもない快適性、一筋縄ではいかないメンテナンス、目も当てられない安全性。
でもそれらを軽くいなしてしまうしゃれっ気と今の車に無いクルマらしさ。
天秤にかけると後者の方に傾いていたはずなのに、
いつのまにか・・・・
続く。
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