Y氏とドブロクと2CV

文字色どぶろくと2CV
久しぶりに2CVのY氏がやってきた。

先週の連休は台風騒ぎで(実際近くを流れる川が増水して避難準備情報が出た)

近年に無い水の量で怖い思いをした。

今週はY氏である。

まさしく天災は忘れたころにやってくる。

今日のY氏は2CVじゃなく12万キロを走破した緑の2代目デミオで現れた。

ゆんでにドブロク、めてにコンビニ袋に入った大量のスルメという井出達である。

「よし!のむぞ!」

もとより他人の都合を前もって確認するというような“器の小さい人”ではないY氏は

唐突に・・・・始まった。

4時に開始された宴会は、

スルメを肴にドブロクを煽るという胃には最悪の組み合わせで進んでいった。


飛行機の揚力と翼の断面形状の話やら。

2CVを今のベージュからチャールストンの黒・ボルドーの2トンカラーにしたいとか。

地球外生命体の存在する確固たる理由だとか。

「ああ~気持ち悪い・・・・」

なぜドブロクなのかとか・・・

「ドブロクはうまい!」

「はいそうですね」

「なぜうまいか分かるか?」

「そんなに大きな声ださなくても隣にいるんですから!好きだからでしょうに」

「ちがう!」

「声がでかいですよ。じゃなんでですか?」

「答えはエンジンだ!」

「エンジン?????????」

「昔スムーズに回るエンジンをモーターのようだと比喩したろ」

「それは所詮エンジンはモーターにはなれないから例えただけで

誰もモーターにしたいと思ったわけではない!」

「今はモーターで走ってますよ」

「最初からクルマがモーターで走っていたら2CVもミニもチンクも長きにわたって

愛されてはいまい」

「はあ?」

「お前、扇風機に名前付けるか?衣類乾燥機に感情移入できるか?」

「??????」

「それはエンジンという内燃機関が良くも悪くもクルマの個性を形作ったからに他ならない!」

Y氏の言いたいことはこうだ。

エンジンにはフリクションロスが存在するどんなに効率の良いエンジンでも実際運動エネルギーに

利用できているのは30パーセント以下そこでフリクションロスを無くすためスムーズなエンジンを

各メーカーが血眼になって開発している。

その結果燃費一本やりの味の無いエンジンが出来上がってしまった。

長い板場の経験のあるY氏は。

「フリクションは料理でいうところの“アク”である調理の過程で出る“アク”を取り除くのが

料理人の仕事ではあるがすべての“アク”を取ってしまうと料理に“酷”がなくなってしまう!」

「つまりだ!なぜドブロクがうまいかというとそのフリクションの塊だからだ!」

「突き詰めていくと酒は最終的にはアルコールだ。エンジンも最後はモーターになってしまう!」

「お前が描いているイラストとやらもモーターになってはつまらんぞ!」

「ヒトもクルマも“アク”が抜けたらおしまいや!」




正義の味方を自負するY氏の話は続いた・・・・・



トイレに行きたくなって目が覚めた・・・・


Y氏は夜半から出始めた強い風と共に帰っていったらしい。

どこからともなく強い風に乗って途切れ途切れではあるけどはっきりと・・・

ひばり児童合唱団が声高らかに歌うあの歌が・・・・


「~はやてのようにあらわれて、はやてのようにさってゆく~」




次の日に残ったのはドブロクの空ビンとスルメの袋と強烈な二日酔いであった。

















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